媒体依存・SNS無・仕事アピール過多なお店はいずれどうなるのか。
媒体依存のリスクと「仕事してるアピール店」はどう崩れるか
──論理的シミュレーション
求人媒体にだけ頼り自前のSNSや独自メディアを一切持たない。 内部では責任者がやたらと「自分はこんなに頑張ってます」アピールをする。
こういうお店は一見するとまだ動いているように見える。 だからこそ「意外とこのまま続くんじゃないか?」という錯覚も生まれる。
ここでは中立な立場で 媒体依存・SNS拒否・仕事アピール文化が組み合わさった店が どう崩れていくのかを論理的にシミュレーションする。
1. 媒体依存のリスク|「酸素ボンベだけで生きようとする店」
1-1. アルゴリズムと料金に「首根っこ」を掴まれている
媒体依存の店は、集客・求人のほぼすべてを 媒体のアルゴリズムと料金設定に預けている。
- 媒体の表示順位が落ちるとそのまま応募が減る
- 広告費の高騰が即座に採用コストの高騰に直結する
- 媒体のルール変更に合わせて毎回対応待ちになる
店側にあるのは「お金を払う」「情報を載せてもらう」という権利だけで 集客の主導権は完全に媒体側にある。
1-2. 比較の土俵に乗せられ続ける
媒体は基本的に「一覧表示」だ。 つまりユーザーはこう見る。
「A店、B店、C店…どれがマシそうか」
これは常に他店との比較ゲームに参加させられる構造。 世界観や思想ではなく
- 時給の数字
- 〇万円以上可能!!のようなキャッチ
- 見栄えする写真
といった「表面の差別化」で殴り合うしかなくなる。
1-3. 自前の信用が育たない
媒体経由で来た人は基本的にこう。
「◯◯という媒体に載っていたから来た」
これは「この店を選んだ」というより 「媒体を信用した結果たまたまこの店に来た」に近い。
店自身のブランドや物語ではなく 媒体の看板を借りているだけなので店の信用スコアはほぼ増えない。
2. SNSをやらない店に起きること|「見られたくない店」という扱いになる
2-1. 透明性がゼロ
今の子はとりあえずこうする。
- 店名で検索
- InstagramやXのアカウントを探す
- 口コミや裏話もざっと見る
ここでSNSが一切出てこない店はこう解釈される。
「見せられるほどの中身がないのかな」 「むしろ見せたくない事情があるのかな」
SNSをやらないことを「安心」と語る店もあるが 外側から見ればほぼ確実に「透明性がない店」に分類される。
2-2. 良い話が表に出ない=いい意味での噂も広がらない
SNSがない店は
- いい雰囲気を見せる場所がない
- スタッフのポジティブな日常が可視化されない
- お客の満足度が目に見える形で蓄積されない
その結果「良い噂」が表に蓄積されない。 代わりに残るのは
辞めた人の愚痴 噂話 匿名の書き込み
というコントロール不可能な断片情報。
2-3. 「時代に乗れていない店」というラベルが貼られる
2020年代以降 「SNSがない=真面目で良い店」という価値観はほぼ死んでいる。
むしろ
「時代についていけてない運営なのでは?」 「ネット上に痕跡を残したくないんだろうな」
というかなり厳しめのラベルを貼られがちだ。
3. 「仕事してるアピール」が周囲に与える悪影響
3-1. 情報共有ではなく「自己防衛」として機能する
本来仕事の進捗共有はチームにとってプラスだ。 しかし度を超える「仕事してるアピール」は、 だんだんこう見えてくる。
「自分だけ頑張ってますアピール」 「責任逃れのための前振り」 「成果だけは確保したいポジショントーク」
つまり周囲には「協力」ではなく「保身」としてしか映らない。
3-2. 心理的安全性が下がり「サイレント競争」が始まる
仕事アピールが文化になると周囲の人はこうなる。
- 黙って働くのが損に感じる
- 評価のために自分もアピールせざるを得ない
- 実績より「どう見えるか」が優先される
これはチーム内に見えない競争を生む。 その結果
- ミスの共有がされない
- 困っていても助けを求めにくい
- 問題が表面化するまで誰も本音を言わない
というかなり危険な状態になる。
3-3. 上司がこのタイプだと現場は地獄
上に立つ人が「仕事してるアピール」タイプだと 現場はこんな構図になりやすい。
- 面倒な仕事は部下に投げる
- 成果やおいしい部分は自分の手柄として報告
- トラブル時は「自分は忙しい」「自分はやっている」と防御に走る
- 責任は下に落ち評価は上に集まる
こうなると優秀な人ほど離れていく。 「ここにいても報われない」と気づくから。
4. この3つが組み合わさった店はどうなるか|未来予測シミュレーション
前提
媒体依存 + SNSなし + 仕事アピール文化 この3つが重なった店を時間軸で追いかけてみる。
4-1. 短期:まだ普通に動いているように見えるフェーズ
最初のうちはこんな感じで回る。
- 媒体からそれなりに応募が来る
- 内情は見えないので新規は一定数引っかかる
- 中の不満はまだ外に爆発していない
- 上司の仕事アピールも「まぁそういう人」で済む
外から見ればギリギリ「普通の店」のコスプレが成立している状態。
4-2. 中期:内部の不満が溜まり静かな崩壊が始まる
時間が経つと徐々にこうなっていく。
- 媒体経由で入った人が「話と違う」と気づいて早期離脱
- 優秀な人から順番に辞めていく
- 残るのは「次の職場が見つかるまでのつなぎ」の人達が中心
- SNSや裏垢にポツポツと内情が漏れ始める
ここで仕事アピール上司の本質が浮き彫りになる。
「自分はこんなにやっているのにみんながついてこない」 「最近の子は根性がない」
責任は自分ではなく周囲と時代のせいにされる。 さらに現場のモチベーションは下がる。
4-3. 末期:媒体の効果が落ち悪評とコストだけが残る
媒体依存の最大の罠がここで効いてくる。
- 媒体での露出を続けても悪評のせいで応募が減る
- 広告費を増やしても来る人の質とモチベは下がる
- 内部崩壊状態のため教育コストだけが増える
- 元スタッフや内部の声が口コミやSNSでじわじわ広がる
つまり
「媒体にお金を入れても人も信頼も増えない」 「内部は疲弊し外部には悪評だけが残る」
という最悪のコスパになる。
この段階では もう「立て直し」ではなく延命になっていることが多い。
5. 最後に残るもの|「何も作らなかった店」の末路
媒体依存で自前のSNSもメディアも育てず 仕事してるアピールだけにリソースを割いてきた店は 崩れたあとに何も残らない。
- ファンもコミュニティもない
- 「ここで働けてよかった」という記憶もない
- 検索しても悪い断片情報だけ残る
- 運営側の「実績」も他所から見れば数字として証明しづらい
それは 「その場しのぎの採用」と「自己防衛としての仕事アピール」に エネルギーを使い続けた結果。
逆にいえば 透明性を持ち自分たちのメディアを育て 中身と待遇に投資してきた店は 崩れても人の記憶と信頼の中に残る
媒体依存と仕事アピールだけで回している店は 構造的に見ても長期では生き残れない。 それは運ではなくもう「時代の仕様」の問題。










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