オウンドメディアにしか未来がない理由。広告と外注SEOに全部任せる戦略が詰む構造

「広告媒体に完全依存」「HPもSEOも全部やってもらう」戦略がなぜ長期的に詰むのかを、感情論ではなく構造的に解説。オウンドメディアにしか未来がない理由、広告との役割分担、今から何を始めるべきかまで論理的に整理したコラムです。
オウンドメディアにしか未来がない理由。広告と外注SEOに全部任せる戦略が詰む構造

オウンドメディアにしか未来がない理由。広告と外注SEOに全部任せる戦略が詰む構造

先に結論から言うと、 「どんなにめんどくさくてもオウンドメディア(自社のコンテンツ)以外に積み上がる突破口はない

広告媒体に完全に頼って
ホームページも業者に作ってもらって
SEOも「対策しますよ」と言われるがまま丸投げしても
長期的にはほぼ詰む構造になってる

ここでは感情論じゃなく構造だけで説明する


1. 広告は「家賃」オウンドメディアは「資産」

まず、一番大事な前提から

  • 広告(ポータルサイト・ポータル媒体・SNS広告など)
    → お金を払っている間だけ集客できる家賃
  • オウンドメディア(自社サイト・自社ブログ・コラム)
    → 一度作ると何年も効き続ける資産

広告にだけ頼るビジネスとは 「家賃を払い続けないと即詰む」体質になるということ

  • 広告費が上がったら一気に赤字
  • 競合が同じ媒体に増えたらクリック単価が吊り上がる
  • 媒体のルール変更で出稿止められたらその瞬間に集客が止まる

ビジネスの首根っこを
「他社のプラットフォーム」に握られている状態

一方オウンドメディアは逆で

  • 記事が増えれば増えるほど自然検索からの流入が増える
  • 指名検索(店名やブランド名)で検索される回数が増える
  • 広告を止めても一定の流入が残る

広告=スイッチ入れてる間だけの集客
オウンドメディア=スイッチ切っても残る集客

この性格の違いがエグいくらいデカい


2. 広告+外注HP+外注SEOは「ノウハウが全部外に流出」する

よくあるパターンはこれ

  • HP制作 → 制作会社に丸投げ
  • 広告運用 → 広告代理店に丸投げ
  • SEO → 「対策します!」と言ってくれる業者に丸投げ

このとき何が起きているか

  • どんな訴求が刺さったのか
  • どんなキーワードで来ているのか
  • どの導線でコンバージョンしているのか

この一番必要な学びの部分がすべて
「外注先の経験値」として蓄積され、 自社には残らない

担当者が変わる代理店を変えるたびに
それまでのノウハウが ほぼリセットされる

一方オウンドメディアを自分たちで回し始めると

  • どんな記事が読まれたか
  • どんなタイトルがクリックされたか
  • どんな文脈で予約・問い合わせされたか

こうした情報がすべて自社の脳として蓄積される

短期視点:外注は楽
長期視点:オウンド以外は全部「知見の流出」

ここで将来の打ち手の差が一気に開く


3. 「SEO対策します系」が今後ほぼ詰む理由

「SEO対策します」「上位表示お任せください」系は、 多くの場合こうなりがち

  • タイトル・見出しの微調整
  • 内部リンクの設計
  • 被リンクを買う・回す

もちろんテクニカルなSEOもゼロよりマシ。ただし——

今の検索エンジン(+AI検索)が本気で見ているのは、

  • そのサイトだけが出せる一次情報か
  • 実際の現場から出てきた生の知見か
  • そのテーマについて継続的に語っているか

つまり「誰がどれだけ本気で情報を出しているか」が 評価のど真ん中にある

これはもう事業者本人にしか作れない領域

HP制作会社やSEO会社が代わりに書いた、 フワッとした一般論では、 いずれAI生成コンテンツに埋もれて終わる

中身(コンテンツ)を自分で持たずに
「SEO対策だけしてもらう」のは スカスカの箱の表面だけ磨いてるようなもの


4. 広告媒体に完全依存は「いつか必ず家賃爆上げされる部屋」に住むのと同じ

広告媒体は最初はたいてい「安い・取りやすい・穴場」から始まる。

  1. 一部の人だけが見つけて使い始める
  2. 「ここ取れるじゃん」と気づく人が増える
  3. 出稿が増えてクリック単価・掲載費が上がる
  4. だんだんとROI(費用対効果)が合わなくなる

このサイクルを何度も回すのが広告の世界。

つまり今日うまくいっている広告チャネルが、 数年後も同じ条件で機能している保証はほぼゼロ

さらに媒体のアルゴリズム変更やルール変更で
アカウント停止・掲載制限・単価改定があったら終了

そのときに「じゃあ他の媒体使うか」となっても、 自社メディアを持っていないと

  • 毎回ゼロから説明しなおす
  • 毎回ゼロから信用を積み上げる

という永久キャンペーン地獄になる

オウンドメディアがあれば

  • どの媒体からでも最終的に自社サイトへ流せる
  • 「詳しくはうちのメディアで」が常に使える
  • 媒体が変わっても最後のホームグラウンドは変わらない

出口としてのオウンドメディアを持たない広告戦略は すべて「一時的なキャンペーン」で終わる


5. 「めんどい」ことにしかもう差別化の余地が残ってない

今のネット集客は、 テンプレLP・テンプレ訴求・テンプレ広告文が氾濫している

AIがテンプレ文章くらいは一瞬で量産してしまう時代

じゃあどこで差がつくかという、
もはや「めんどいこと」の中にしか残っていない

  • 現場の一次情報(生のエピソード・失敗談・具体例)
  • その人その店にしか書けない価値観や哲学
  • 顧客の声を編集して自分たちなりの答えにしていく過程

これらは全部AIにも代理店にも完全には再現できない その事業の生身のデータだ。

そしてそれをまとめる場所こそが オウンドメディア

「めんどいけど、自分たちで書く・出す・編集する」 この行為そのものが他社にとっての参入障壁になる。


6. 「オウンドメディアいらなくない?」系のよくある反論とその返し

Q1. 「SNSだけ頑張ればよくない?」

SNSはフロー(流れる情報)。 タイムラインに流れて終わりやすい。

オウンドメディアはストック(蓄積される情報)。 過去の記事が検索から何年も読まれる。

ベスト、

  • SNS → 拡散・認知・日々のコミュニケーション
  • オウンドメディア → 深い説明・思想・検索からの流入

Q2. 「うちは小さいからそんな余裕ない」

むしろ小さいからこ、
「広告費で殴る戦い」から降りる必要がある

月1本でもいいから、 現場からちゃんとした記事を積み上げていくと、 1年後・2年後の世界がガチで変わる

Q3. 「文章書くの苦手」

最初はそれでOK。 大事なのはうまさじゃなく中身の濃さ

どうしても無理なら

  • 自分が話した音声を文字起こししてもらう
  • インタビュー形式でライターに書いてもらう

それでも「中身の源泉は自分たち」にしておくことが大事。


7. じゃあ明日から何をやればいいか?最低3ステップ

ステップ1:自社サイトに「コラム/ブログ」枠を作る

デザイン凝らなくていいので とりあえず記事を置ける場所を確保する

ステップ2:「よく聞かれる質問」にちゃんと答える記事を書く

テーマはこのあたりからで十分。

  • よく勘違いされること
  • 初めての人が不安に思いがちなこと
  • 業界の裏側で、本当は言われてないこと

1記事=1テーマで、 自分の言葉で書くことが大事。

ステップ3:広告の「詳しくはこちら」のリンク先を、オウンド記事に変えていく

いきなり広告をゼロにしなくていい。 ただ、

  • LPと同時にオウンドメディアの記事も育てる
  • 広告からの流入を自社コンテンツに触れさせる導線にする

これだけでも「広告しかない世界」から 一歩抜け出せる。


8. 結論:広告はブースター、オウンドメディアはエンジン

最後にもう一度、役割の違いを整理すると——

  • 広告:一時的に加速するためのブースター
  • オウンドメディア:ずっと回し続けるためのエンジン

ブースターだけで飛び続けようとすると どこかで燃料切れする

エンジンを他社任せにしたまま走り続けるビジネスは 媒体の機嫌ひとつで止まる

「広告はアクセルだけど オウンドメディアはエンジ。
エンジンを自分で持たないまま走り続ける戦略に もう未来はない」

めんどいのは事実 でもそのめんどい場所にしか、 もう本当の突破口は残っていない

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